スポーツアスリートに向けた筋疲労に対する考え方

この一年か半年くらいの間、スポーツトレーニングについて考える機会がよくあり、また色々な記事や本を読んでいます。いつだったかDr.Phillip Maffetoneが筋疲労について記事を書き、パート2がアップされ、読み終わったので紹介しようと思います。

ソースはこちら:http://philmaffetone.com/muscle-fatigue-part-2

筋疲労(きんひろう=筋肉の疲労)の主な原因は乳酸の蓄積が昔から考えられていますが、筋疲労に影響を与える一番の要素は”脳”にあります。

脳のコンディションが良くない状態では、筋疲労は容易に起こりやすく、また、疲労回復までの時間が長くなってしまいます。

例えば、各種大会やコンペ、様々なプレッシャーのかかる場で、筋肉が簡単に疲労を起こし、つってしまったり、急激な疲労感とレース後の回復しない筋を経験したことがありませんか?

筋疲労とは脳が過度に緊張した状態で起こりやすく、疲労回復に時間がかかってしまう原因になります。では、適切な脳の状態とは、どんなものでしょうか。一番重要なことはリラックスしている状態であること。です。

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脳がリラックスした状態とは、α波(アルファ波)が脳内に出ている状態と言われますが、これは眠い状態ではなく、覚醒しているけれど、過度な緊張もしていない。冷静で、周囲をよく見渡せ、手足の細部への動きも細やかに行える状態でしょう。

そして、適切な脳の状態こそが、筋にかかる負荷や状況を適切に脳に伝え、それを記憶します。脳の記憶こそが、次に同じような状況に陥った時に、適切な筋の働きを維持してくれる重要な機能ですから、脳が疲労していたり緊張状態にあっては、トレーニングも効率が悪いか、意味をなさないでしょう。

さて、話を変えると、トレーニングとはなんでしょうか。自分の体を強くし、次のステップに進むためには必要不可欠なモノ。それがトレーニングですが、その内容についての認識は個人差が大きく、同一のトレーニングをした際の影響についても個人差が大きくでます。

記事中に興味深い言葉が載っています。"Practice does not make perfect. Only perfect practice make perfect" 最適なトレーニングこそが、あなたを次の段階へ引き上げる。と意訳しましょうか。適切なトレーニングがパーフェクトプラクティスであり、それが脳からの適切な信号と運動を生じるのです。

適切なトレーニングをするための一つの要素が脳機能にあります。そして、脳機能を適切に保つためには次の3つの要素について考える必要があります。

1.トレーニング
2.栄養素や食事
3.ストレス

トレーニングとは、”練習+組織の回復”を意味しています。多くのアスリートが失敗してしまうのは、過酷すぎるもしくは長すぎるトレーニングと短すぎる休息でしょう。

さて、適切なトレーニングとは一体どんなもの?とここまで読んできた方は疑問がわくでしょう。

最適なトレーニングは疲労し過ぎない状態です。もちろん、過酷なトレーニングをする日もあるでしょうし、少ないトレーニングで終わる日もあるでしょう。一律に休息日を決めないで、その時に合わせた休息を考えることが大切です。きちんと管理するためにはトレーニングメモも大切ですね。

2.栄養に関する知識はとても重要ですが、基本的にはビタミン・ミネラルを大切にしましょう。1日のビタミン・ミネラルを適切に維持するためには約10人前の野菜と果物が推奨されています。内訳としては8人前の野菜と2人前の果物です。

そして、脂質の摂取も大切にするべきです。脳の約60%は脂質でできていますから、脂肪分の摂取が大切ですね。脳を作る脂肪はオメガ3の成分ですから、青魚から摂取する魚油が最も吸収・代謝されますが、フラックスシードオイルも代謝されます。

そして、悪い食事を避けるよう心がけましょう。全てのジャンクフードは避けるべきです。

多くのアスリートにとって問題になるのは、カフェイン、炭水化物・糖類、ジャンクフード、酒、タバコでしょう。僕はこれらの摂取物は限りなく少なくするかなくすことを推奨しています。

3.ストレスのケアも怠ってはいけません。アスリートのコンディションを左右する大切な要素ですね。またストレスは怪我の発生頻度を著しく上昇させますから、怪我をしないためにもストレスのケアは必要です。ストレスがあるから休む。というのとは少し違いますが、環境によるストレス、コミュニケーションによるストレス、成果が出ないことによるストレス・・・多々あります。

 

私たちが感じるストレスは次のようなものがあります。

  1. 温度の変化によるストレス
  2. 食物や身体の代謝によるストレス
  3. 外傷や怪我などによるストレス
  4. 心因的ストレス
  5. その他

ストレスのいくつかの種類のうちどのタイプのストレスを過剰に受けているのか理解することが必要でしょう。そして、ストレスを減らすのか、それともストレスに対抗できる体を作るのか。

 

ストレスは大脳辺縁系に影響を与えます。そして、網様体を介して、筋肉の働きに影響を与えます。ストレスが高まっていると筋肉は適切な運動を果たすことができず、弱ってしまったり、過剰に緊張してしまったりします。結果として、怪我を発生させる原因となるでしょう。



ストレスのケアのためのサポートフードも大切です。そして、抗酸化剤と言われる栄養素についても注意を払う方がいいでしょう。ビタミンEやCだけでなく、α-リポ酸やグルタチオン。様々な成分があります。